臓器移植について【病気と免疫力】


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   臓器移植について

臓器移植の歴史は古く紀元前5世紀ヒポクラテス時代の頃から皮膚移植を筆頭に研究・臨床が繰り返されてきたようです。臓器を提供する人を「ドナー」、臓器移植を受ける人を「レシピエント」といいます。

臓器移植には臓器によって血液型、HLAの適合度、リンパ球の直接交叉試験、臓器サイズなど条件が決められています。これは、臓器移植による「自己(自分)」と「非自己(自分以外)」を区別する免疫システムが引き起こす拒絶反応をできるだけ抑えようとするためです。

しかし、実情はなかなか難しいようです。人の体中の細胞にある、自分自身の固有の目印のようなタンパク質HLA(ヒト白血唾抗原)と移植された臓器のELAの型の違いを免疫細胞が見破って攻撃を開始するからです。

なぜ攻撃するのかというと、移植した細胞に対して、移植を受けた人のヘルパーT細胞、キラーT細胞が作用し破壊活動を行うのです。
免疫細胞から出される情報伝達物質サイトカインの一部は直接移植細胞を傷つけ、呼び寄せられたマクロファージや好中球からは細胞を傷つける傷害物質が出されます。B細胞の武器(抗体)が移植細胞に反応し、やがて血管の中に血栓をつくってしまいます。血管はダメージを受け、詰まってしまい移植臓器に血液が流れなくなり臓器が機能しなくなるわけです。

臓器を移植して拒絶反応が起こるのは免疫細胞が全細胞にあるHLAの型の違いを見破って攻撃するからです。こうした拒絶反応を防止するため、臓器移植後は、免疫抑制剤を服用するようです。

そのため逆に免疫力が低下しすぎて、通常の免疫力があれば感染しないはずの病気にかかるということにもなりかねません。しかし、拒絶反応や合併症といった多くのマイナス面を経験しながらもレシピエントが、臓器移植を受けてよかったと日本移植者協議会のアンケート調査では答えているのです。

臓器移植の目的は、腎臓移植は透析からの解放、心臓、肝臓移植は命です。
大きな違いはありますが、現状を克服する希望の光であることは間違いないようですね。


LHA(Human Leukocyte Antigen)とは、
1954年フランス のドセーが発見したもので、人の白血球にある血液型の頭文字です。日本語では「ヒト白血球抗原」、もしくは「主要組織適合遺伝子複合体(MHC)ともいい、親から子供に受け継がれる自他を認識するためのマーカーです。
HLAの型はA、B、C、DR、DQ座、その遺伝子は第6染色体上にあり、両親からひとつずつもらうので2本で一対になっているそうです。現在では、HLAは白血球だけの血液型ではなく、赤血球以外の体中の細胞に存在する型であることがわかっています。体の細胞の大ききや形はいろいろありますが、1人の体の中のHLAはみんな同じです。
臓器移植の時に拒絶されるターゲットとなるHLAは、赤血球は持っていないため輸血する場合は血液型さえあえば拒絶されないそうです。

  
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